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議員に届くアンケート——私が「無闇に答えない」と決めている理由

どうもこんにちは!
阿見町議会議員の 筧田かけひだ さとし です。

先日、私のもとに1通のメールが届きました。全国の地方議員を対象にした「離婚後共同親権に関する意識調査」です。設問は5問、3分で答えられます。締切は9月10日です。すでに700名を超える議員が回答した、と書かれています。そして最後に、こうありました。回答がなければ「回答未確認」として、議員名とともに公表します。

私は、この調査に答えません。今日はその理由を書きます。「議員なのに答えないのか」と思われた方にこそ、読んでいただきたい内容です。

先に結論

議員宛のアンケートは、送り手・設問の形・自分の権限の3点を確かめてから答えます。3点のどれかで止まったら、答えないことを選びます。逃げているのではありません。皆さんの1票を預かる立場として、自分の言葉をどこに残すかを選んでいます。

理由1|送り手を確かめる

議員のもとには、いろいろな「調査」が届きます。議会事務局を通るもの、報道機関や大学の研究室からのもの、住民の方から直接いただく手紙。そして、差出人がよく分からないものです。

今回のメールの名義は「NPO団体」でした。ただ、法人格があるかどうかは、メールからは読み取れませんでした。署名欄には営利企業の代表としての肩書が並び、団体の案内ページも、その会社のサイトの下にありました。

私の名前と回答を集計して公表する主体が誰なのか、メール1通では確かめられない。ここでまず止まります。確かめる点は3つです。①差出人の名義と、メールのドメイン・サイトの運営者が一致しているか。②公表の主体と責任者が明記されているか。③無回答を「公表」で促す形になっていないか。今回は①②が確かめられず、③に当てはまりました。

理由2|5択は、文脈を切る

離婚後の共同親権。今年、離婚した後も父と母の双方が親権者になれる法律が動き始めました。当事者の方にとっては、人生そのものに関わる制度です。

その制度への考えを「1.賛成〜5.わからない」の1文字で答える。それが、私の名前の横に一覧で並びます。1文字は、なぜそう考えるのかを運びません。運ばれないまま、「筧田は○番」と切り取られて流れていきます。この形で残る言葉は、私の言葉ではなくなります。

私が皆さんに考えを伝える場所は、このブログと、議会だよりと、議場です。そこには理由と、調べた過程と、まだ分からないことまで書けます。言葉を残すなら、文脈ごと残せる場所に残す。これが2つ目の理由です。

主体がはっきりしていて、理由を書く欄や取材が伴うものなら、1文字にも意味が乗ります。今回は、その両方がありませんでした。

理由3|権限の外の話に「町議として」立たない

共同親権は国の法律の話です。町議会が、この法律を直すことはできません。権限のない場所で「阿見町議会議員」の肩書つきで賛否を出すと、それは意見ではなく、看板の貸し出しになります。

国の制度についての考えは、私も一人の親として、一人の生活者として持っています。書くときは、その立場に降ります。ただし今回のような調査は、回答が「阿見町議会議員 筧田聡」として集計される形です。町議の看板で国政に立つ形を、自分では作らない。これが3つ目の理由です。

「回答未確認」と載ること

私の名前は「回答未確認」として載るのだと思います。受け止めます。回答しなかったということ自体が、上の3点を通した私の回答です。

一方で、こう思われる方もいるでしょう。「議員が答えない=逃げている」と。だからこの記事を書きました。答えないときは、答えない理由を自分の言葉で公開する。これをセットにすれば、無回答は不誠実ではなくなると考えています。

答えるアンケート、答えないアンケート

答える答えない
議会事務局を通る調査差出人と公表主体が確かめられないもの
報道機関・大学・法人格のある団体で、責任者が明記されたもの無回答を「公表」で促す形のもの
阿見町の住民の方からの声・質問(これは最優先)町議の権限の外を、町議の肩書で答えさせるもの

いちばん右下は「答えない」ではなく、立場を降ろして自分のブログで書く、が正確です。

共同親権と、阿見町

ここまで書いて、ひとつ引っかかっていることがあります。調査には答えませんが、この法律が動き始めた今、町の窓口で困っている方がいるかどうかは、町議の仕事の範囲です。学校での面談や連絡、保育の送迎、住民票や子育て支援の手続き。父と母の双方が親権者になったとき、町の現場で戸惑いが起きていないか。

いまのところ、私のもとに阿見町の方からの相談は届いていません。だから今は「問題がある」とも「ない」とも書けません。もし当事者の方、学校や窓口で戸惑った方がいれば、教えてください。一通の相談が届いた瞬間に、これは国の話ではなく、阿見の話になります。そのときは、町の窓口の対応を確認して、ここで報告します。

私の考えを知りたくなった方が、どこかの一覧表の1文字ではなく、この場所で、理由ごと読める。そういう状態を、今日から積んでいこうと思っています。

おまけ|「アンケート」はどこの国の言葉?

英語のように聞こえますが、フランス語の enquête が語源です。もとは「探し求める」という意味のラテン語から来ていて、フランス語では警察の捜査もこの言葉で呼びます。日本語に入るときに、質問に答えてもらう調査だけが残りました。私も今回、調べて初めて知りました。

参考資料

「議員に届くこういう調査、どう見ていますか」というご意見、ぜひ聞かせてください。
ご意見・激励等ございましたら、気兼ねなくおっしゃってください!

ご覧いただきありがとうございました。
阿見町の筧田がお送りしました。

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ABOUT US
筧田 聡 ❀ 阿見町
NPO法人地域知見LIVE 理事長, ㈱Key-Performance 創業・代表取締役, 起業茶屋® 主催, 弓道弐段, サザン好き, 茨城県観光マイスターS級 認定「大きな愛、たくさんの笑顔、熱い情熱をもって、互いの人生を輝かせるために働き続ける!」