どうもこんにちは!
阿見町議会議員の 筧田 聡 です。
阿見町議会議員・筧田聡が、犬のリードを外して散歩させることについて、町と県の条例と判例を読んで整理しました(条例は2026年10月確認)。
ふれあいの森は、町の公園です。それなのに、リードを外した犬がいるので近寄りにくい、と感じている住民の方が実際にいます。そんな声が、私のところに届いています。
実は私にも、同じような体験があります。リードのない犬が近寄ってきて、ベロベロとよだれをつけられ、立ち上がって前足で引っかかれ、服の上から脚を軽くかまれ、最後は寄りかかられました。
犬に悪気はありません。悪いのは犬ではなく、リードを外した飼い主です。
小学2年生のときには、ゴールデンレトリバーに追いかけられたこともあります。あの大きさの犬が走ってくる光景は、今でも体が覚えています。犬が好きな人には何でもない場面が、そうでない人には本当に怖い。
断っておくと、私は犬や猫が苦手なわけではありません。アニマルセラピーに関わるNPO法人にも入っていますし、実家には猫がいましたし、妻の実家には今も犬と猫がいます。だからこそ、腹が立つのです。放された一頭のせいで、きちんとリードをつけて歩いている人まで、まとめて白い目で見られる。それが悔しい。
そして、迷惑しているのは犬が苦手な人だけではありません。リードをつけて散歩している飼い主の方々も、放された犬には困っています。 自分の犬が絡まれ、けんかになれば、こちらの責任まで問われかねないからです。
広い芝生と林の遊歩道を前にすると、リードを外して思い切り走らせたくなる。その気持ちも分かります。
これは、ふれあいの森に限った話ではありません。公園でも、道路でも、河川敷でも、阿見町の中なら同じ条例がかかります。この記事で挙げる判決は公園のものが中心ですが、条例の義務も、民法の賠償責任も、場所を問いません。
では、犬のリードを外していいのは、ルールの上ではどんなときなのか。条例と判例を読んでみました。
先に答えを置きます。阿見町では、散歩のときも「綱で確実に持っている」ことが条件です。リードを外して歩かせる散歩は、町の条例の例外に入っていません。
公園のルールに書いていなくても
たとえばふれあいの森には、専用の条例があります。物品販売や撮影には許可が要ること、植物の採取やごみ捨てをしてはいけないことなどが並んでいます。
ただ、犬やリードについて定めた条文はありません。 「ここでは放していい」とも「いけない」とも書いていない。決めているのは、その場所のルールではなく、町と県の「動物の愛護及び管理に関する条例」です。看板に書いていないから自由、ではありません。
なお、森の条例には「町長がふれあいの森の管理に支障があると認めた行為」をしてはならない、という一文があります。場所のことは、最後は管理する側の判断にもかかってきます。
町の条例:散歩は「綱で確実に持っている」ことが条件
阿見町の条例(平成25年施行)は、犬の飼い主に「常時係留すること」を求めています。係留とは、つないでおくことです。
例外は4つです。
- 警察犬・狩猟犬・補助犬などを、その目的で使うとき
- 安全な場所と方法で訓練するとき
- 犬を制御できる人が、綱等により確実に保持して移動・運動させるとき
- 規則で定めるとき
散歩について書かれているのは3つ目だけで、条件は「綱で確実に持っていること」です。4つ目の「規則で定めるとき」も、中身は催しに使うとき、飼い主と同じ家で暮らす犬や抱えられる大きさの犬を危害のおそれのない場所や方法で飼うとき、生後90日以内の子犬を飼うとき、に限られます。私の読みでは、リードを外して歩かせる散歩は、この例外のどれにも当たりません。
町の条例の本文に、違反したときの罰則の定めは見当たりませんでした。
県の条例:「綱」の言葉はないが、違反には30万円以下の罰金
茨城県にも同じ名前の条例があり、飼い犬の「けい留」を義務づけています。けい留とは、逃げたり人に危害を加えたりしないよう、さくやおりなどの囲いの中で飼うか、鎖などでつないでおくことです。
県の条例にも、散歩の例外はあります。書き方は「飼い犬を制御できる者が、人畜(人や家畜)に危害を加えるおそれのない方法で運動させ、又は移動させるとき」。町の条例と違って、「綱」という言葉は出てきません。 条件は「危害を加えるおそれのない方法」かどうかです。
リードを外した散歩がこの例外に当たるかは、犬の状態や場所、周りの状況で判断されることになります。ただ、私が体験したように、知らない人に駆け寄って飛びつける状態を「危害を加えるおそれのない方法」と言うのは難しい、と私は考えます。そして阿見町の中では、県の条例とは別に、町の条例の「綱等により確実に保持して」という条件があります。県の例外に当たったとしても、町の条件は消えません。
県の条例のけい留の義務に違反したときの罰則は、平成31年4月から30万円以下の罰金に引き上げられています。町の条例に罰則の定めはありませんが、県の条例違反に当たるかどうかは、別に判断されます。
よく聞く3つの言い分を、条文に当ててみる
「小さい犬だから」。 県の規則にも町の規則にも、人が抱えられる大きさの犬についての例外があります。ただ、その中身はどちらも「危害を加えるおそれのない場所又は方法で飼養するとき」に限られ、外で放して散歩させてよい、とは書かれていません。
「おとなしくて、呼べば戻るから」。 県の条例の「制御できる者」は、飼い主の側の力のことで、犬がおとなしいかどうかではありません。しかも条件はもう一つあって、「人畜に危害を加えるおそれのない方法」であること。「呼べば戻る」だけで両方を満たすとは、私には読めません。そして町の条例は「綱等により確実に保持して」で、犬の性格では分けていません。私の読みでは、阿見町の中では、おとなしさは理由になりません。
「早朝で、誰もいないから」。 町の条例は、時間帯でも分けていません。それに、誰もいないと思った場所にも、人は来ます。散歩の人も、走る人も、子どもも。「人が来ない」という前提は、人が来た瞬間に崩れます。道路でも河川敷でも同じです。
もし事故が起きたら:ドッグランの中でも1,600万円
お金の面でも見ておきます。民法718条は、犬が他人に与えた損害を飼い主(犬を管理している人)が賠償すると定めています。免れるのは「相当の注意をもって管理した」と認められたときだけです。
公開されている判決から3件です。
| 場所 | 何が起きたか | 支払いを命じられた額 |
|---|---|---|
| 東京・戸山公園 | 引き綱を外した大型犬が人にぶつかり、骨折 | 1,903万1,968円 |
| ドッグラン(大阪高裁・令和7年6月) | 犬が後ろから人の脚にぶつかり、けが | 1,600万4,726円 |
| 甲府・小瀬スポーツ公園 | 散歩中に綱が手から離れ、驚いた人が転倒し骨折 | 154万6,538円 |
目を引くのは2件目です。犬を放すための場所であるドッグランの中でも、飼い主の注意の基準は下がらないと判断されました。3件目は、わざと外したのではなく、綱が手から離れただけの事故です。それでも賠償を命じられました。犬に悪気がなくても、相手が驚いて転べば、飼い主の責任が問われることがあります。
環境省の飼い方の基準も、外で運動させるときは「原則として、犬を制御できる者が引き運動を行う」としています。
おまけ|「ペットと呼ぶな」の前に
犬の話をすると、「ペットと言うな、家族だ」と言葉を直される場面に出会うことがあります。どう呼ぶかは、ご自由にどうぞ。ただしそれは、人に迷惑をかけず、人の自由を狭めない範囲での話です。呼び方を人に押しつけることも、放した犬で人を公園から遠ざけることも、その範囲の外にあります。
「放せる場所」を、町がつくろうとしている
ここまで読むと、阿見町では思い切り走らせられないのか、と寂しくなるかもしれません。
実は町は、ふれあいの森の中に、無料でいつでも使えるドッグランを整備する計画を進めています。県の条例が「けい留」を「さくなどの囲いの中で飼うこと」とも定義しているとおり、囲いの中なら話は変わってきます。ただ、先ほどの判例のとおり、そこでも飼い主の責任は残ります。
どんな計画で、いくらくらいかかりそうなのか。続きの記事で、町の資料と近隣の実例から整理します。それまでは、散歩のリードは手に。
柵の向こうで、犬が芝生を蹴って全力で走る。飼い主はベンチに腰かけて、それを眺めている。そんな朝が、ふれあいの森に来るのを楽しみにしています。
「こんなルールもあるよ」「ここが気になる」という声も、気軽にお寄せください。
ご意見・激励等ございましたら、気兼ねなくおっしゃってください!
ご覧いただきありがとうございました。
阿見町の筧田がお送りしました。
参考資料
- 阿見町「阿見町ふれあいの森条例」(第4条・第5条)
- 阿見町「阿見町動物の愛護及び管理に関する条例」本文(第8条第1号)
- 阿見町「阿見町動物の愛護及び管理に関する条例施行規則」(第4条)
- 茨城県「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例」(第2条第6号・第5条第1号・第18条)
- 茨城県「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例の一部が改正されました」(罰則の強化)
- 茨城県「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例施行規則」(第6条)
- 裁判所「東京地方裁判所 判決(戸山公園)」
- 裁判所「大阪高等裁判所 令和7年6月18日判決」
- 裁判所「甲府地方裁判所 判決(小瀬スポーツ公園)」
- 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(第4の1・5)

















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