ネウボラとは?
「ネウボラ」は、フィンランドで1944年から法制化されている妊娠・出産・子育て世帯への一体型支援体制 (ワンストップサポート) のことです。 元々、 フィンランド語で 「ネウボラ」 は 「助言の場」 を意味する言葉です。
子供の妊娠から就学前まで、 母子だけでなく家族全員に対し共通の保健師が担当し、 円滑に必要な支援を受けられるよう対応してくれます。 近年、 日本でも一部の地域・行政で取り組まれるようになりました。
ネウボラのイメージ
日本では妊娠の兆候があると病院 (産婦人科) に向かいますが、 フィンランドでは「ネウボラ」に向かいます。
ネウボラの2つの目的
1. 家族の健康と福祉を促進すること
2. 各家庭の状況を把握し、 早い段階で必要な支援や適切な検査・治療につなげること
具体的にネウボラが提供するサポートは?
- 妊娠期間中の健康診査・助言
- 分娩時のサポート
- 産後の母体・新生児のケアとフォローアップ
- 育児相談、 子育て支援プログラムへの案内
- 保育、 教育施設への情報提供や調整
- 子育て世帯の精神的・社会的支援
- 家族計画に関するアドバイス
これらのサービスは、自治体、医療機関、地域の子育て支援団体が連携して提供することが多いですが、ネウボラの担当保健師制度により妊娠中の女性や子育て中の親が複数の窓口を巡る手間を省き、必要な支援を円滑に知ることができるようになります。
⚠ ネウボラの詳しい内容・利用方法は自治体によって異なるため、 居住地の役所や関連する公的機関にお問い合わせいただくのが正確な情報を得る方法です。
ネウボラによる地域コミュニティ強化
ネウボラは地域の子育て支援を強化することを目的としたプログラムであり、以下のような取り組みで子育て家庭を支援し地域コミュニティを強化しています。
- ワンストップサービスの提供
- 妊娠期から子育て期に至るまで多岐にわたるサービスを一つの組織や施設が提供することで、保健、医療、福祉サービスの利用が容易になります。
- 包括的な情報提供
- 子育て関連の正確な情報提供を行い、保護者が不安を感じることなく、必要なサービスを利用できる環境を整備します。
- 連携・協力体制の構築
- 地域内の病院、保健所、行政、NPOなどが連携して、子育て家庭へのサポートをより円滑に行います。
- アクセスのしやすさ
- 地理的にアクセスしやすい場所にサポート施設を設置したり、インターネットやモバイルアプリを通じて情報やサービスへのアクセスを提供します。
- 多様なニーズに対応
- それぞれの家庭が抱える様々なニーズに柔軟に対応し、個別のサポートプランを提案することで、家族一人一人に合ったサポートを実現します。
- コミュニティ形成の支援
- 子育て家庭が互いに支え合い、絆を深めることができるようなイベントやグループ活動を支援します。
- 保護者のスキルアップ
- 親子教室や育児講座を通じて、保護者自身が子育てに関する知識を深め、自信を持って子供を育てられるよう支援します。
- メンタルヘルスの支援
- 出産後のうつ状態や育児ストレスなど、メンタルヘルスに関する問題への相談やサポートも提供します。
こうした取り組みは、子育て家庭が直面する様々な問題や課題に対して、地域全体でサポートする体制を強化し、子育てがしやすい環境を作り出していくために非常に重要です。具体的なサービス内容や利用方法は、それを実施している地域や団体によって異なるため、地域ごとの詳細なプログラム内容を確認することが必要です。
行政・政府の課題
母子保健システムの再構築、 共通基準の作成と監督
行政・医療機関の連携強化
ネウボラ保健師の確保
行政がすぐ取り組めること
乳幼児検診で父親の参加を呼びかける
家族全員の健診
阿見町での導入は?
まだ住民も行政の職員もほとんど聞いたことがない言葉・制度だと思います。 まずは皆さんに 「ネウボラなるもの」 を知ってもらう段階だと思います。 その上で、 より阿見に適した制度として導入に向けて対話・調整が円滑に進むことが大切だと考えております。