頭にこびりついたメロディ!? 脳内ループとは?
・ふとした時 (突然)、 曲 (メロディ) が脳内で無意識・強迫的に何度も反復再生される現象。
・専門的には 「不随意音楽イメージ」 「イヤーワーム」 と呼ばれる。
※ヘビロテ (ヘビーローテーション) は、 意図して何度も流す場合に使われる言葉
脳内ループ調査報告事例
脳内ループは 「9割以上」 の人が日常的に経験する?
・マーケティング研究者ジェイムズ・ケラリス [シンシナティ大学] の研究では、 人々はそれぞれイヤーワームに対して異なる感受性を持つが、 ほぼ全員が場面の違いこそあれさいなまれることが示された。 また、 98%の人はイヤーワーム (脳内ループ) を経験する。
・男女とも同等の頻度でこの現象を経験するが、 女性の方がより長い時間イヤーワームが継続し、 男性よりも不快感が大きくなる傾向がある (参考文献: Why do songs get stuck in your head? | The Straight Dope)
その他の脳内ループ検証
・脳内ループが始まるきっかけ
→ 感情・記憶・聴覚に関する脳の領域や曲に関連する匂いや風景・体験、 他にも精神面・環境が関係している
・ 女性の方がより長い時間イヤーワーム (脳内ループ) が継続し、 男性よりも不快感が大きくなる傾向があるという報告もある (個人差あり)
・若い人、 日常的に音楽を聴いている人、 神経質な人、 疲労・ストレスが溜まっている人は発生しやすい
・記憶との関連で発生する
・好きな曲やテレビでよく流れている曲が多い
・何らかの曲を最近、あるいはくり返し耳にしたことでイヤーワームが起きる可能性が高い
・曲がイヤーワームになる理由の内、音楽自体とほぼ無関係のものが多数挙げられている
・何かしらの言葉やイメージが曲の歌詞を思い出させる
・その時々の気分が引き金になる
→ 例: ストレスを受ける度に同じイヤーワームが起きる
→ 気持ちが高ぶっている時に決まってテンポの速い曲のイヤーワームを経験する
・曲に対する親密度が大きく関係する
英ダラム大学による脳内ループの研究
3000人を対象に 「最近頻繁にイヤーワーム (脳内ループ) 経験をした曲に関するアンケート調査」 が行われた。 「脳内ループ現象を高める可能性のある音楽的特徴」 が世界で初めて本格的に調査された。
最も多く名前の挙がったイヤーワーム曲リスト
調査は、 ポップミュージックに的を絞り、 期間は 「2010年~2013年度」 となっている。
1位: Lady Gaga – Bad Romance
2位: Kylie Minogue – Can’t Get You Out Of My Head
3位: Journey – Don’t Stop Believin’
4位: Gotye – Somebody That I Used To Know (feat. Kimbra)
5位: Maroon 5 – Moves Like Jagger ft. Christina Aguilera
https://youtu.be/iEPTlhBmwRg&t=46
6位: Katy Perry – California Gurls ft. Snoop Dogg
7位: Queen – Bohemian Rhapsody
8位: Lady Gaga – Alejandro
9位: Lady Gaga – Poker Face
10位: Beyoncé – Single Ladies (Put a Ring on It)
10位: Adele – Rolling in the Deep
イヤーワーム曲と非イヤーワーム曲を分ける要素
音域、 音程、 リズムなど、 80以上の点での比較によって次の要素が見つかっています。 脳内ループ曲の特徴を次に確認していきましょう。
1.テンポ
・脳内ループ曲はテンポ (速度) が速い傾向
・人々の脳が遅い曲よりも速い曲の自発的再生を好むことがわかっている
→ 動きと脳内ループとの関連性に原因があると思われる
・多くの人々はウォーキングやランニング、 歯磨きといった周期運動中に脳内ループを経験する
2.一般的な旋律輪郭
・脳内ループ曲は全体の旋律輪郭 (形) がより一般的である
→ 例: 多くに共通する旋律輪郭の1つが、 いったん上がってから下がる
→ 「きらきら星」 をはじめ、 多くの童謡に見られるほか、 「バッド・ロマンス」 のサビにも使われている
・旋律輪郭が一般的 → 脳が曲をよりいっそう思い出しやすく、頭の中でくり返しやすくなると考えられている
3.特異な音程パターン
・脳内ループ曲は通常とは異なる音程を含む傾向がある
・例: 「平均的ポップ・ソング」 において予期されるよりも跳躍進行 (リープ) が多い
・脳内ループ曲は、 旋律輪郭的には記憶されやすい一方、 特異な音程パターンを含む
→ 脳が旋律に 「ちょうどいいレベルの複雑性」 を与える
→ 単純すぎず、 覚えられないほど複雑でないメロディを求めるためか?
※「The Conversation」 誌より引用
脳内ループの止め方
認知機能が使うことがポイントです
・好きな曲を聴く
・パズルを解く
・アナグラムを解く
→ ひとつの言葉を並べ替えて違う意味の言葉にすること
→ 例: 「明確 → メカ・イク」……イク? 「携帯 → 軽・板」
→ のように、すると一撃で認知機能が専有されるため脳内ループが止まります。
・曲のタイトルや背景を調べる
・心地よい脳内ループ曲のプレイリストを作る
・身体を動かす
脳内ループの注意点
聴いたことのない曲が流れる場合、アーティストとして天才か、 幻聴と思われます……(*・∀・) ・∵.☆
⚠精神疾患の症状の場合もございます。 強迫性が強い場合には、 医師の診断を受けましょう。
⚠脳内を占拠されている時間のほうが集中できるという方も結構いることを最近知ったので、そこは上手く活用していくと良いかと思います!
※筧田は集中しているときは脳内ループを口ずさみ続けています(笑)
「脳内ループ」 の関連キーワード
関連キーワード | 検索ヒット数 |
脳内ループ | 5,050,000 |
脳内リピート | 1,110,000 |
ディラン効果 | 672,000 |
イヤーワーム | 266,000 |
他には、脳内リフレイン (詩・楽曲の各節最後の部分をくりかえすこと) など……
↓関係ありませんが……
脳内ループの歴史的代表曲
ちなみにボブ・ディランの 「風に吹かれて」 が脳内ループの代表曲として取り上げられており、 「脳内ループ現象=ディラン効果」 とも呼ばれています。
筧田の脳内ループ曲はこちらをチェック